REPORT
活動レポート
コロナ禍での支援~あったかパック〜
令和2年4月7日、コロナウィルス感染流行の拡大により、日本で初めて緊急事態宣言が発令されました。生活が急変してしまい困窮状態に陥ってしまった方々が社協の窓口に駆け込むようになりました。特にタクシー運転手、飲食店勤務などサービス業や外国人労働者、非正規労働者などコロナ以前から不安定な就労環境で働く方達からの相談が相次ぎました。
緊急事態宣言発令前より、「コロナ特例貸付」の対応を行ってきました。
コロナ特例貸付とはコロナの影響で収入が減少し、生活に困窮した方を対象に最大9か月間、計200万円の貸付を行う制度です。※無利息・無担保、据置き期間1年
収入減少、失業した方に対し有効な制度でしたが、貸付の決定までに、2~4週間かかってしまうことが課題でした。
そのため、貸付決定まで生活を維持することができない方々もいました。そこで、私達は貸付決定するまでの支援として、「あったか食事パック」の提供と現金給付を行うことにしました。
「あったか食事パック」は社協に訪れた相談者に、1~2週間分の食料を提供するものです。必要とされる方に対しては提供回数を設けず、複数回提供することもあります
あったか食事パックが始まる前にも食料支援を行っていましたが、提供していたのは備蓄食品でした。クッキーやアルファ米、缶詰など、行政や企業が災害時に備えて備蓄していた保存食を譲り受けてストックし相談者に配っていました。
しかし、相談者の中には災害備蓄品を受け取ることを拒否する方もおり、心苦しさを感じながら災害備蓄品を提供してきました。
※災害備蓄品(クッキー)
あったか食事パックを渡すと、相談者の表情が明らかに変わります。厳しい表情をしていた人が柔らかい表情に変わり、事情を詳しく話してくれるように変化していくのです。
仕事を失い、所持金もなく、食べる物もない状態で社協にやってきたAさんの事例です。Aさんは、携帯電話代が払えず強制解約されました。電話がないため社協窓口に駆け込んできたのです。相談中、終始うつむき、笑顔がない状態でしたが、「あったか食事パック」を受け取ると「こんなに人から優しくされたことはない」と涙を流しながらも、初めて笑顔を見せてくれました。
コロナウイルスの感染者数が徐々に減少し、一時期の緊迫感は薄れています。しかし、コロナの影響により収入減少や失業してしまった方は今もなお厳しい状況で生活されています。そのような方々の力になるため、食事パックの提供とともに、就労支援・経済的な安定を図るための支援を継続的に行っていきます。