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REPORT

子どもの貧困 生活困窮世帯

学校で使うものが用意されない子どもの苦しさ

「制服が用意されず、高校に行くことができなかった」

小学生からずっと社協の無料塾に参加していたAさん、無事に高校に入学しましたが、夏頃に高校を辞めたと連絡がありました。理由を聞くと「人間関係がうまくいかなかった」とのこと。しかし、本人に話をよく聞くと、高校を辞めた本当の理由は「夏服がなかった」ことでした。家庭で制服を用意されず、誰かに相談することもできず、一人で悩んでしまった結果、学校をやめることになってしまいました。その後、私たちで再受験のためのサポートを行い、Aさんは改めて別の高校に入学し、高校生活を再スタートすることができました。

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「1足しかない靴が壊れて中学校に行けない」

Bさんが通学してこないと中学校から社協に連絡がありました。すぐに家庭へ連絡を取ってみるとBさん本人が「靴がないから学校に行けない」とのこと。自分の靴はずっと履いている1足の運動靴のみ、その靴の底がすり減り壊れてしまい、学校に履いていく靴がない状況でした。すぐに靴を用意することで対応し、学校に行くことができました。

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「習字道具がないから学校に行けない」

習字道具はお兄ちゃんとお姉ちゃんと3人で1つを使っている小学生のCさん、習字の授業の日が他の兄弟と被ってしまった日は自分の習字道具がないことを友達に知られることがつらく、学校に行くことができませんでした。そんな情報が私たちに入り、家の状況などを把握したうえで習字道具の給付を行いました。

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「明日、プールなんだけど水着がない」

日曜日のお昼頃、中学生のDさんから私たちに連絡がありました。親から小学生から使っている水着を使うように言わたけど、小さくてもう着ることができない。それが前日に分かって私たちに連絡をしてきました。親からはあるものを着なさいと言われ、でも入らない、そんな苦しさの中で私たちに連絡をしてくれました。その日のうちに用意し、Dさんのお家に届け、翌日無事にプールの授業に参加できました。

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「高校でも吹奏楽を続けたいけど…」

中学では吹奏楽部に入り、3年間続けてきたEさん。部活動にかかる費用が払えるのか不安で、高校でも吹奏楽部に入りたいと言えず、心の中で葛藤がありました。自分の家の経済状況は何となく把握しているし「吹奏楽部に入りたい」その一言がなかなか言えませんでした。そんな中、3年前から関わっている社協職員に「吹奏楽を続けたい、でもお金が心配」と話してくれました。高校の吹奏楽部では自分の楽器を用意しなくてはなりません。自分で工面したお金と社協の給付を合わせて購入し、高校でも吹奏楽に熱中することができるようになりました。

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※個人が特定されないように情報を一部加工してあります

学校で使うものが用意されない子どもの苦しさ

小中学校で使う教科書は基本的に無料で配布されますが、上記のような制服、靴、習字道具、水着などは各家庭で購入し、用意するようになっています。しかし、経済的理由や保護者のネグレクト※等により、子どもにとって必要なものが用意できない、もしくは用意されない子どもがいます。

 学校に行くために必要なものが用意されない子どもは、学校に行けなくなることも少なくありません。しかし、「学校に行きたくない」という発言や不登校になってしまう事実から、周りの大人は「学校に行きなさい」「なんで行けないの?」と子どもの抱える悩みを理解しきれずに聞いてしまうことがあります。そう言われた子どもの多くは無視をするか、不登校になります。お金がないから買ってもらえない、親が自分のことをあまり気にかけてくれていないと感じている子どもは、誰かに相談することができず、一人で抱え込み、社会に絶望します。

 

※幼児・児童・高齢者・障害者などに対し、その保護、世話、養育、介護などを怠り、放任する行為のこと

■学用品等の給付は子どもたちの人生におけるかけがえのない1ピースを埋める

みなさまからお預かりした寄付金だからこそ、子どもたちの個人的なニーズに対応することができています。学用品や部活動に関わる給付は、単なる物の給付ではありません。学校生活や部活動で自分のやりたいことに挑戦できる経験は、子どものときにしか経験できないかけがえのないものです。学校に必要なものがないつらさを抱える子どもをなくし、自分のやりたいこと、進みたい進路に挑戦できる環境づくりを継続していきます。

 

三芳町社協 小沼 和矢

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