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REPORT

子どもの貧困 生活困窮世帯

食べるものが家にない子どもたち

中学生になったA君の家は母と妹の3人暮らしです。お母さんは、うつ病で長い間働くことができず生活保護を受けています。数年前からは、食事の支度もできなくなり、夕食はコンビニのおにぎりやお弁当を買って3人で食べています。母は、夜は毎晩、睡眠薬を服用して眠るので、朝は起きることができず、学校の送り出しもできない状況です。A君は、遅刻をする日もありますが、学校は給食があるので通うようにしています。朝ごはんを食べる習慣はA君の家にはありません。そもそもお母さんの生まれた家も朝ごはんはなかったそうです。朝ごはんを食べた方が、いいのはわかっているけれど、冷蔵庫に食べられる物は何も入っていません。

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ぐったりと壁にもたれかかるA

学校から、社協にA君が廊下の壁にもたれかかって、空腹で動けないでいる。給食を食べると元気になるけど、どうにかならないかと連絡がありました。調べてみると、朝ごはんが提供されていないこども達が複数いることがわかってきました。土日や夏休みなどの長期休暇には、朝ごはんも昼ごはんも提供されないこども達がいることも学習支援団体への聞き合わせからわかってきました。夏休みは5㎏以上痩せてしまう子もいます。

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朝ごはんの提供

こどもが、朝ごはんを食べるということは、学校で勉強をし、運動をするためにとても重要なことです。それが、提供されないということは、こどもが大人になって、社会の一員として普通に働くことさえ、難しくしていきます。身体的に劣位となり、勉強する体力がなく低学力の原因にもなります。家庭環境の格差を少しでも減らしていくために、社協で、週二回一回当たり二日分の朝ごはんの配布をすることにしました。A君は無事に中学を卒業し、今年から高校生になりました。

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