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REPORT

子どもの貧困

母子家庭や父子家庭の子育て 愛情不足といわれて

【愛着障害】

 私たちは、ひとりで仕事と子育てをしている母子家庭や父子家庭のお母さん、お父さんを支えるために、ケア型こども食堂『こどもカフェ』と保護者のためのサロン『おしゃべりサロン』をおこなっています。

 一般的には、あまり知られていませんが、愛着障害という考え方があり、愛情不足から、こどもが発達障害に似た症状を示すことがあると言われています。具体的には、落ち着きがなく、道路に飛び出す。集中して物事に取り組めない、学校に行けなくなるなど症状は様々です。

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 学習支援教室に通う信二くん(仮名)は、中々、物事に集中できず、お母さんは、うちの子は、発達障害なのではないかと悩んでいました。ただ、日々関わっているスタッフは、発達障害というよりは、お母さんが、もっと信二くんのために時間をとってくれれば、気持ちや行動が安定するのではないかと考えていました。

 自分の子が、発達障害かもしれないと悩むお母さんに、私が、「もしかしたら、愛情不足かもしれないよ。でもね、生活のために、夜勤の介護の仕事をしているのだから、仕方ないと思っている。愛情不足と言われてしまうのは、一生懸命に働いて子育てもしているお母さんにとって辛いことだとわかっているよ。」と話しました。そばにいた別の母子家庭の先輩お母さんも「そうだよ。それでも、それなりに、いつの間にか育っているから。」とやさしく言ってくれました。私は、母子家庭のお母さん達の支え合っている姿ややさしさに涙がでました。このお母さんは、一生懸命に努力をして介護福祉士の資格もとりました。生活のために、祖父母に預けて、働きにいかないといけない時もあります。母子家庭のお母さん達は、こどもともっと一緒いたい。申し訳ないという思いを持ちながら、仕事と家事に毎日を一生懸命に生きています。

 そんな、お母さんやこども達を支えるには、話を聞いてくれる人がいること、温かいごはんを隣で食べる人がいることが大切だと考え、同じような環境の仲間と一緒に過ごすことができる、こども食堂とサロンをおこなっています。私たちスタッフは、日々、子どもやひとり親世帯のお母さん、お父さんたちの話を聞き、仕事探しや、家計の改善など困りごとが解決できるように支援をし、寄り添いながら活動をしています。

古賀 和美

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