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REPORT

子どもの貧困 生活困窮世帯

『経験する必要のない“つらさ”を抱える子どもたち』

一般的な家庭で育つ子どもたちが経験するであろう良質な社会体験の真逆にある『経験しなくてもよい経験』について考えるようになったのは、私たちが多く関わっている機能不全家庭で養育される子どもたちの青年期以降の生きづらさを知った事にあります。

 小学生や中学生の頃から私たちの学習教室に来て、何年もかけて関係性を培ってきた子どもたちが青年になり、今の自分の生きづらさや、幼かった時の想いを語り始めています。Aさんもその一人です。中学1年生から学習教室に来るようになり、明るく元気で学校にも休まず通い、しっかりしているように見える子でした。しかし、その裏ではつらい現実から逃れるためにリストカットをしていることが後に分かりました。母親からの日常的な身体的暴力を受けていたのです。
Aさんの家には、母親の新しい恋人が頻繁に遊びに来ており、自分の家に家族ではない見ず知らずの成人男性がいる緊張状態で生活をしていたことも後から分かりました。

 子どもたちは多くを語らないので、そのような家庭環境を私たちに話してくれるようになるには、時間と信頼関係が必要です。当時の事を細かく話せるようになったのは最近のことです。私たちと話している時、本当は楽しい話をする時間にする事もできるはずなのですが、あえて当時の自分がおかれていた状況を語り、自分自身の気持ちを整理しているようにも感じます。今でも言葉で傷つけられる事があるようですが、母親から離れることはできず「お母さんからの愛がほしい」と言います。 子ども時代は、友人との遊び、好きな人のこと、趣味の話、将来の夢などを考えて、毎日が楽しくても良いはずなのに、家庭環境に課題がある子どもの多くが、いつも親のことを考えて悩んでいます。Aさんも四六時中、親の事を考えていると話してくれました。これまでの経験から自信が持てず、自分の人生や将来に否定的な子たちもいます。
 
 「人生には、もっともっと楽しいことがあるよ」
 
私たちはそんなメッセージを伝え続けることが大切だと考えて、サマーキャンプやクリスマス会、ハロウィンなどの季節のイベントを子どもたちに届けています。子どもたちの頭の中を楽しい事でいっぱいにしたい。生きる事を楽しんでもらいたい。そんな活動をこれからも続けていきます。

古賀 和美

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