REPORT
活動レポート
高齢期の孤立が生む負の連鎖
孤立がきっかけで・・・
高齢期になると加齢に伴う心身機能の低下や筋力の低下などにより要介護状態になるリスクが高まります。介護が必要になった場合、単に介護の問題だけでなく、介護サービスの利用に伴う経済的な負担も問題となります。仮に要介護1で介護保険料の負担割合が2割だった場合、介護サービスを給付限度額まで利用すると、約32,000円の自己負担が発生する事になります。この他に医療にかかっていれば、医療費も発生します。高齢期において介護や医療にかからない健康的な状態という事は、経済的な負担という面においても非常に重要となります。
身体的な低下を生む要因として「孤立」がきっかけとなり、さまざまな問題が発生する事があります。

孤立が健康、介護、経済的な問題に連鎖します
60歳で定年退職を迎えた雄二さんは、今まで仕事一筋で家の事は妻に任せきり、近所付き合いやこれといった趣味もなく、滅多に外出する事もありませんでした。そんな生活が大きく変わったのは、退職から3年経った63歳の時でした。妻が大病を患い、闘病の末に亡くなってしまったのです。今まで、妻に任せきりで、ご近所付き合いも無かった雄二さんは、妻に先だたれた寂しさと、もともとの生活も相まって、ひきこもり状態になりました。日常生活もままならず、掃除や食事作りなど疎かにする様になりました。偏った食事と不衛生な環境の影響で体重は減り、家はゴミ屋敷の寸前になりましたが、雄二さん自身は、ご近所や友人など交友関係もない状況で、誰かに助けを求める考えには至りませんでした。たまたま様子を見に来た親族が、栄養不足と脱水で倒れている雄二さんを発見し、救急車を呼びました。幸いにも早期に退院する事が決まりましたが、また同じ事の繰り返しにならない様に退院に際し、介護保険の申請や地域で雄二さんが参加出来る居場所へのつなぎなど雄二さんの生活をサポートするだけでなく、「孤立」を防ぐ為、つながりをつくるサポートを行いました。
雄二さんの様に身内の方に先立たれたり、子どもが独立したりするなどさまざまな理由でひとりになった際に友人とのつながり、地域とのつながり、困ったときに相談できる相手がいる事。孤立していないという事は、健康や介護、経済的な問題に連鎖します。

孤立させない
私たちが取り組んでいる、会食会や新聞を配って行う見守り活動、お茶を飲んで集会所などに集うサロン活動は、孤立させない、つながりをつくる事で孤立を防止することでリスクをさげることにつながります。ささやかな人とのつながりが負の連鎖を断ち切るのです。
小林 和文
