REPORT
活動レポート
求められる身元保証という課題
2024年度の国民生活基礎調査において初めて、高齢者世帯の構成割合で「夫婦のみ世帯」を「単独世帯」が上回りました。つまり65歳以上の高齢者世帯においても単身の世帯が1番多くなったという事になります。この割合は、今後、増々増えていく傾向にあります。

※ 65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移(2024年国民生活基礎調査より)
更に2020年の国勢調査では、単身高齢者は671万7千人(世帯)となっており、20年後の2040年には、1,041万3千人になると推計されております。

※令和6年度高齢社会白書(内閣府より)
単身高齢者世帯が増える事で、さまざまな課題が発生します。私たちが相談に対応する中でも、多くの課題に直面します。その中に保証人や緊急連絡先があります。実際どのような事があるのか、お伝えします。
「佐藤さん入院に際して保証人と緊急連絡先を記載してください」
「すみません。私、主人が亡くなって、身内がいないのよ。子どももいないし、兄弟もいないし。どうしたら良いの?困ったわ・・・」
「すみません。お客様の場合、年齢が年齢なので、緊急連絡先と連帯保証人が居ないとこのアパートには入居できません。大家さんからも条件が出てまして」
「そんなこと言われても・・・俺は、結婚もしてないし。ひとりだぞ。誰に頼めばいいんだよ。」
「家賃保証会社の審査が通れば問題ありませんが、保証人の部分は問題があり、緊急連絡先は確保して頂かないと、こちらも大家さんからダメだと言われていますので。」
「ここのアパートもダメか・・・」
.jpg)
このように単身高齢者世帯、つまりおひとりさまになった時、もしくは身内や周囲に頼れる人が居ない場合、保証人や緊急連絡先といったものを求められた際に対応する手段に非常に苦労します。民間の団体や業者で緊急連絡先や身元保証を請け負ってもらえる法人はありますが、どういった業者なのかわからず、また費用負担の部分でも大きな問題が降りかかります。

総務省が行った「高齢者の身元保証に関する調査」では、9割以上の病院や施設が入院・入所時に身元保証人を求めているという調査結果が出ています。つまり保証人や緊急連絡先が実際の現場では、必要になるという事が非常に多いということになります。
また、受け入れる側も非常に困った課題になっているという、実態があります。
第二東京弁護士会が実施した「身元保証人に関する実態調査のための アンケート」においても<入院,入居(入所)にあたり,身元保証人(保証人,連帯保証人,身元引受人その 他類似の名称を含みます)を求めていますか。>という問いに高齢者施設をはじめ医療機関など調査対象の9割が「求める」と回答しています。更に<身元保証人が必要だと考えられる理由を教えてください>という問いに、受け入れる側の病院や施設の回答として、緊急事態発生時の連絡先や入院費用・入所費用の支払い、死亡時の遺体や遺品の引き取り、医療行為の同意確保といった点で、対応が困難になる実態が浮き彫りになっています。このように受け入れる側にとっても緊急時に対応する手段がないという事は非常にリスクですが、医療や介護サービスの提供をしないという事は当然できません。この様な課題は単身高齢者世帯の増加に伴い必然的に増える傾向にあります。
この課題の解決には、単身高齢者が安心して生活できる身元保証の取り組みや、病院や福祉施設等の受け入れる側が抱えるリスクの低減を図る必要があります。国も単身高齢者の課題に厚生労働省を中心に身元保証や生活支援などの支援を自治体や民間の団体と共に取り組みを検討しています。単身高齢者と受け入れる側の施設、双方の課題を解決する仕組みが強く求められています。