REPORT
活動レポート
熱が出ても病院には行きません~体調が悪くても病院に行かない理由~
生活保護を担当する福祉事務所から、家の中がゴミ屋敷状態で、食事や洗濯などの家事にも心配がある母子世帯がいます。という連絡から当時小学生だったAさんとの関りが始まりました。
お母さんとの面談と、家の状況を確認するためご自宅に伺いました。玄関を開けると足の踏み場がないほどにゴミ袋が積まれています。まずは生活の導線を確保するための片付けを行いました。私たちが運営する子ども食堂と学習教室も紹介し、Aさんと毎週顔を合わせるようになりました。
テストの点数や中学校の通信簿(成績表)でも4や5が多く、勉強面での心配があまりありませんでした。しかし、生活面での心配事が多くあります。片付けたはずの自宅は、時間が経つにつれて少しずつ以前のような状況に戻ってきます。Aさんは家庭のことをあまり話さず、何を聞いても「大丈夫です」という返答ばかりでした。
コロナ禍、夏休み期間に3食付きの学習教室を開催していた時、少し具合の悪そうな様子のAさんが参加しました。体温を測ると微熱が出ていたため、病院に行ってねと伝え、朝食用に用意していたパンを渡し、帰宅してもらいました。翌日、「大丈夫でした。明日から勉強会に行ってもいいですか」と連絡がありました。
学習教室に参加したAさんとすぐに熱が下がってよかったねと話をしていると、何となく表情が晴れません。少し間をおいてから、病院には行っていないですと話しました。続けて、家に冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、電子レンジがない、お風呂は節約のために数日に一度しか入っていない等の家庭生活の様子も話してくれました。以前片付けをした際に確認した家電類は壊れていて、使い物にならない状態でした。
「熱が出ても病院には行きません、昔からそうでした」
頭が痛い、熱っぽい、鼻水や咳が出る、そういう時は体調が良くなるまで寝て治していました。それはAさんだけではなく、親も兄弟も体調不良時に病院に行かずに過ごしていた、そのためAさんにとってはそれが“普通”でした。こうしてAさんは体調を崩しても病院に行かないことが常態化してしまいました。
私たちが関わる世帯では、体調不良でも受診につながらない子どもがいます。受診を促したり、受診につなげるための支援を行っています。Aさんには、体調を崩したら病院に行ってほしいこと、お金もかからないこと、病院に行くことが難しかったらすぐに連絡をしてねと伝えました。
私たちは、何かどうにもならない事情で保護者が病院に連れて行くことが難しい場合、保護者の承諾のもと、子どもの医療受診に同行します。子どもが一人でも近所の病院に行くことができるようなサポートも行います。
三芳町社協 小沼 和矢